こんにちはJOJOです!
『学校の宿題をやらせたいんだけど、子どもが勉強しようとしない』
『中学受験を目指して子どもを塾に入れたんだけど、子供のやる気がでない』
子どもの将来を考えると、子どもに勉強してほしいのですが、子どもはなかなか自発的に勉強しませんよね。
特に小学生の子どもに勉強させるのはとても難しいです。
僕も長男が中学受験を目指して塾に通っていますが、毎日塾の宿題をやらせるのに悪戦苦闘!
やりたくないだの、難しいだの、色んな理由をつけて全力で拒否してきます。
マンガやゲームは言わなくても自発的にやるんですけどねw
小学生に勉強させるのが難しいのは、小学生はそもそも勉強することによるメリットを理解できないからです。
大人である僕たちは、勉強することが将来の収入を多くするための有効な手段であることを理解しています。
実際に、沢山の経済学者が学歴と将来の収入には相関関係があることを様々なデータで実証しています。
経済学では株、債券、不動産といった金融商品への投資と、子どもへの教育投資を比較して、子どもへの教育投資のリターンが最も高いことは有名な事実です(教育の収益率という概念です)。
なので、世の中の多くのパパ・ママが口を酸っぱくして『子どもに勉強しなさい!』と言うんですね。のび太のママのようにw
でも、実際は、子どもに『勉強しろしろ』言っても、悲しいかなほとんどの場合スルーされます。
馬の耳に念仏とはこのことですね。
もう少し工夫して、『勉強したほうが将来たくさんお金も稼げるようになるし、自分のなりたい職業にもつける。だから勉強したほうがあなたのためよ』と言っても、小学生にはほとんど響きません。
じゃあ、どうすれば、子どもに勉強のやる気をおこさせることができるでしょうか?
結論から言うと、子どもをご褒美で釣って、勉強させるのが確実です。
今回は、この理由を詳しく説明してみたいと思います!
未来の大きな報酬よりも、目先の小さな報酬
ある経済学者が小学生に2つの異なる報酬を提案し、どちらを選ぶかを実験しました。
報酬1:今すぐにドーナツが1つもらえる
報酬2:一週間待てば、ドーナツが10個もらえる
皆さんならどちらの報酬を選びますか?
結論は、90%の小学生が今すぐにドーナツが1つもらえる報酬1を選んだのです。
つまり、大多数の小学生にとってみれば、未来の大きな報酬よりも、目先の小さな報酬のほうが魅力的に映るのです。
このように、未来の報酬よりも、目先の報酬のほうが価値が高いと考える人間の行動を時間割引と言いますけど、これは小学生に限った話ではないのですね。
実は、僕たち大人もしっかりとこの時間割引のワナにはまっています。
かわいい服を着たいと思ってダイエット中の人が、目の前のチョコレートの誘惑に勝てない。
将来の健康のことを考えて禁煙したいと思っている人が、食後の一服がやめられない。
そう、人間はそもそも目先の利益や満足に逆らえないようになっているんです。
目の前にニンジンをぶら下げちゃえ
では、逆にそんな人間の本質的な欲求を利用してみてはどうでしょうか?
目先の利益や満足をつい優先してしまうということは、裏を返せば目の前にニンジン(ご褒美)をぶら下げれば、今、勉強することの利益が高まって、それを優先するんじゃないか。
名付けて『目の前のニンジン大作戦』!
今すぐもらえるインセンティブ(報酬)を用意することによって、子どもを今勉強するように仕向け、勉強を先送りさせない作戦です。
実際に、我が家ではこの『目の前のニンジン大作戦』が成果を上げています。
僕の長男は中学受験を目指していますが、なかなか自発的に勉強しません。
そんな彼は大のゲーマー。寝る時間も惜しんで毎日ゲームに取り組んでいます。
僕は彼に『目の前のニンジン』を与えることにしました。
具体的には彼が欲しい欲しいとねだる任天堂のスイッチを買い与えることにしました。
そして、この『スイッチで遊ぶことができる』という報酬を上手につかって、長男の勉強のやる気を上げることに成功しました。
つまり、勉強した時間の半分の時間をゲームで遊んで良いというルールを作ったのです。
そして、毎日の勉強時間を日記に書いて僕に報告させ、僕が寝る前に翌日のゲーム時間を報酬として渡すというやり方です。
これが我が家では効果を発揮しました!
ゲームが大好きな長男は、ゲームプレイ時間を確保するために自発的に勉強をするようになりました。
最初は一日1時間も勉強できなかったのですが、ゲーム時間欲しさに2時間、3時間を勉強時間が増えていきました。
そして今では、勉強時間が多くなりすぎて、報酬のゲーム時間を完全消化できないようですw
テストで良い点を取ればご褒美と、算数のドリルを解いたらご褒美のどっちが効果的?
子どもに勉強の報酬を与えることの有用性が理解できたら、次にどのような対象に対してご褒美を上げたほうが良いのかを考えてみます。
- 偏差値が上がったら、ご褒美をあげる
- 算数のドリルを一問解いたら、ご褒美をあげる
こちらの2つの方法のうち、子どもの学力を上げるために効果的なのはどちらでしょうか?
つまり、結果(アウトプット)に対して報酬をあげるのと、努力(インプット)に対して報酬をあげるのはどちらが効果的かということです。
この問いに対して、ハーバード大学のフライヤー教授がアメリカの学生に対して実験をしています。
フライヤー教授が行った実験は大きく分けて2つです。
一つは、学力テストや通知表のような結果(アウトプット)を良くした生徒にはご褒美をあげるというものです。
もう一つは、本を読む、宿題をする、学校に毎日行くという努力(プロセス)に対してご褒美をあげるというもの。
そして、この2つのグループのどちらが、学力テストの結果が良くなったのかを比較しました。
結果は、努力(プロセス)に対してご褒美を与えられた子供たちのようが成績が上がりました。
意外にも、結果(アウトプット)にご褒美を与えられた子どもたちの学力は、まったく改善しませんでした。
どちらも、ご褒美を使って、子どものやる気を向上させるのが目的だったにもかかわらずです。
なぜこのような結果になったのでしょうか?
フライヤー教授は次のように分析しています。
努力(プロセス)に対してご褒美を与えられた子供たちは、宿題をやったり、遅刻しない等、やるべき行動が明確です。
そのため、報酬が欲しいと思う子供たちは、確実に努力(プロセス)を行いました。
一方で、結果(アウトプット)にご褒美を与えられた子どもたちは、何をすべきか具体的な方法が明示されていません。
そのため、子供たちは何をすれば報酬が得られるのか分からず、具体的な行動(アクション)を起こせなかったのです。
そのため、確実に行動(アクション)を起こすことができた「努力(プロセス)に対してご褒美を与えられた子供たち」のほうが学力が向上したのです。
つまり、ご褒美は「テストの結果」などのアウトプットではなく、「本を読む」「算数のドリルを解く」などの具体的なプロセスに対して与えることが重要です。
僕はこの話を聞いた時、これって、会社での人事評価と同じだな~と感じました。
ちょうど10年ほど前に日本の会社でも人事評価制度に成果主義が導入されました。代表的な例としては富士通ですね。
それまでは、日本の人事制度って、圧倒的に成果よりも、努力(プロセス)を大事にしていたんですね。
それが日本ではバブルが崩壊して、日本の大企業はドンドン倒産した。
それで、このままじゃダメだと言うことで、欧米のやり方を真似することにした。
欧米、特にアメリカでは成果に対して高い評価・報酬を付与する人事制度が一般的です。
そのため、日本でも成果に対して高い評価を与える人事制度を導入すれば、社員全体のパフォーマンスを向上させることができるとの目論見でした。
結論から言うと、この成果(アウトプット)重視の人事評価制度は日本の会社では機能しませんでした。
成果主義を取り入れた会社の社員は、自らの成果ばかりを重視するようになり、同僚とのチームプレーを疎かにするようになりました。
また、会社全体で、社員同士助け合おうというカルチャーがなくなってしまいました。
その結果として、会社全体としては大きく業績が下がってしまった企業が増えてきました。
最近でいうと、成果にばかり焦点を当てすぎて、粉飾決算まで行ってしまった東芝が代表例です。
そのため、最新の人事評価に関する研究では、成果(アウトプット)よりも努力(プロセス)をしっかりと評価するほうが、会社全体のパフォーマンスが向上することが明らかになっています。
特に、日本人には努力(プロセス)を認めるやり方のほうが合っていると思いますね。
なので、子どもにご褒美を与える場合には、算数のドリル一問とか、音読10回という具体的な努力(プロセス)に対してご褒美を設定するのがコツです。
何の努力(プロセス)に対してご褒美を与えるかは親が決めてあげる
ここまでで、結果(アウトプット)ではなく、努力(プロセス)に対してご褒美をあげることの重要性がわかったと思います。
次に、具体的に、何の努力(プロセス)に対して、ご褒美をあげるのかを決めていきましょう。
できれば何の努力を子どもがやるべきかは、親が決めたほうが良いです。
というのも、小学生レベルだと、成績をあげるために必要な努力(プロセス)がわからないからです。
努力とご褒美の例はこんな感じで良いでしょう。
学校の宿題を終わらせる度に、コンビニで好きなおやつを一つ買ってあげるとか、本を一冊読み終えたら、好きなマンガを一冊買ってあげるとかです。
そして、中学受験のように高い目標設定をする場合は、簡単な努力に対する小さなご褒美と、達成するのが大変な努力に対する大きなご褒美の両方を上手く織り交ぜていくのがポイントです。
例えば、算数の立方体に関する練習問題を解くといった小さな努力に対しては、好きなテレビを30分見ても良いという小さなご褒美を与える。
問題集を一冊仕上げるという大きな努力に対しては、好きなマンガを一冊買ってあげるというご褒美を与えるとかです。
そして、この毎日、お子さんがどのような努力をするか決めるという作業には、通信教育を活用するのもオススメです。
例えばZ会の通信教育だと、1単元あたり、20分程度で完結できるボリュームに区切られています。
そのため、Z会の1単元を解くことに対して、「おやつ」のような小さなご褒美をあげる。
また、Z会には解きごたえ満点の添削問題が毎月あります。
この毎月の添削問題を解いて、提出することに対して、好きなお洋服を買ってあげるとか、ゲームを買ってあげるという大きなご褒美をあげる。
こうして、毎日の小さな努力目標と、毎月の大きな努力目標の両方を上手く組み合わせながら、大きな目標に向かって成長していくことができます。
毎日子どもに何の勉強をするべきか指示するのが難しいとか、時間が取れないという方には、最終的にトップレベルの学力が無理なく身につくZ会がオススメです。
【Z会の通信教育】資料請求はこちら>> Z会 小学生向け講座
まとめ
子どものやる気をあげるためには、この目先のご褒美を与えるという『目先のニンジン大作戦』が最も効果的です。
ご褒美で子どものやる気を釣るなんて気がひけるとか思う必要はありません。
小学生の、特に低学年の頃は、勉強することが自分の将来にとって役に立つことを理解するのは誰にだって難しいのです。
自分の将来のことを考えて勉強する姿勢は中学生以上になれば、自然と身についてきます。
それまでは、目の前にニンジンをぶら下げる方法で、お子さんのモチベーションを上げていくのは正しいやり方だと僕は考えています。
最後に、この『目先のニンジン大作戦』の有効性については、教育経済学者である中室牧子さんの著書「「学力」の経済学」から多くを学ばせていただきました。
この本では、様々な実験やデータを元にして、世の中一般的に信じられている教育に関する俗説とは逆の結論を導き出しています。
- ご褒美で釣っても「よい」
- ほめ育てはしては「いけない」
- ゲームをしても「暴力的にならない」
世間一般的に言われている子育ての方法について、本当かな?と疑問に思っている方は、一度読んでみることをオススメします。目からウロコですよ。
そんな感じかなっ!
おわりっ